第3回エゾシカクラフト開発委員会
11月20日、待望の占冠エゾシカの鞣し革が完成し、商工会に届けられた。これを受け12月14日、第3回委員会を開催した。
叶Xのかりうどが良品を選り分けて保管していただいていたエゾシカ原皮50枚を8月28日に七飯町の且瘴シ毛皮へ搬入、一次加工していただき、樺村千之助商店のもとで最終加工していただき鞣し皮として仕上がったのが32枚であった。残りの18枚は油抜きやなめし作業の段階でボロボロとなりなめし皮と呼べる代物でなくなったため処分された。
今回の委員会でこのデータをご覧いただきながら、あわせて完成した占冠エゾシカ革を前にして協議が始まった。
アドバイザーのエゾシカ協会、井田局長もこのような状況は初めてのようで、原皮の保管状況や革内の水分等に影響されたのかと感想を漏らした。保管状況の問題と断言はできないが原料の歩留まりは今後の製品コストに影響する問題もある事から、今後の検証が必要とし、試作品製造の話に入った。
もともと鹿革は牛革等のように硬くないことから靴やバッグといったハードなものには向かないことから、ブックカバーやティッシュケースなどが候補に挙がった。委員の中から、赤ちゃんが初めて履く靴としてファーストシューズをプレゼントとして送る例が紹介され、エゾシカ革を使ったファーストシューズの試作はたいへん興味を引いた。(出来上がった鞣し革を委員の何名かに渡しクラフトの試作を手掛けていただいたのだが、それで完成したのが表紙にある長谷川勘太郎委員作のファーストシューズである。)
100%占冠で捕獲されたエゾシカ鞣し革を手に入れクラフトを試作する体制が整ったため、委員会の了解のもと、試作品作成に係る推進チームを編成し実際に手掛けてもらうこととし、委員長を含め当日の出席者より3名(細谷・吉田・浦田各委員)、また、VOCKの長谷川氏の参加も依頼することとした。また、推進チームアドバイザーとして原料供給業者である森のかりうど代表の橋委員にも参加いただくこととし、第3回目の委員会を締めた。
委員長および推進チームと高橋委員は席に残り協議を続けた。まず、革の確保できる枚数や保管状況・保管方法などを確認し、今後の試作作業の工程等について協議し、とにかく触って何かを作ってみないことには前に進まないとのことから、専門チームへは到着したエゾシカ革を各1枚ずつ渡し試作に入っていただくよう依頼した。残りの皮については樺村千之助商店に送付しエゾシカクラフト製品の試作準備に入っていただくよう依頼することとした。
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